平成24年度 歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー 別府公園 6月10日終了

第17回大分県糖尿病ウォークラリーに参加して

                               天心堂へつぎ病院 北迫千賀子

 芝や木々の緑の美しい別府公園で第17回大分県糖尿病ウォークラリーが、平成24年6月10日に開催されました。梅雨時期ということで天候が心配されましたが、朝方に少し曇っていた程度で、その後は眩しいくらいの日差しとさわやかな風が吹きぬける一日となりました。

今回のウォークラリーの参加者は患者さん、スタッフを合わせて約160名でした。私はこのウォークラリーでは、患者さんの血糖測定を行いました。受付を済ませた患者さんたちに、朝食を何時頃摂取したのかや体調の状況を質問させて頂きながら、血糖測定を行いました。笑顔で測定される方や、やや緊張した面持ちで血糖値を確認される方と様々でしたが、少しでも楽しく、そして安心してウォークラリーに参加して頂けるように、患者さんに声掛けを行いました。他のスタッフも測定値を見ながら、体調や低血糖時の対応について確認をしていました。血圧・血糖測定が終了すると、まもなく準備体操が行われ、スタッフも患者さんとともに行いましたが、私は日頃使用しない筋肉を伸ばしながら、運動不足を実感しました。準備運動後、いよいよウォークラリーが開始されましたが、各10グループに別れた患者さんとスタッフが拍手の中、優勝を目指して出発していきました。コースは2km・4kmと2つあり、ウォーキングをしながら10か所のチェックポイントでクイズを解き、ゴールを目指しました。今年も熱中症を発症させないように、十分に水分を摂取して頂くように各スタッフが患者さんに、声をかけてきたこともあり、すべての患者さんが無事にゴールをすることができました。ゴールされた患者さんは、血糖、血圧測定を行いました。少し疲れた表情をされた患者さんもいましたが、ほとんどの患者さんが笑顔で帰ってこられました。終了後の血糖値は大半の方が開始前より下がっていましたが、中には逆に血糖値が上昇した患者さんも数名いたようでした。軽い低血糖の患者さんも数名いましたが、ブドウ糖を摂取して頂くことで症状は改善しました。血糖測定をする際に、体調や自宅で行っている運動について質問をさせて頂きましたが、日頃からウォーキングをしている方や普段ほとんど運動をしていない方と様々でした。その中で、日頃運動をしない患者さんで、今回のウォークラリーを経験することで、運動に、血糖降下作用があることを改めて認識した患者さんがいました。その、患者さんから、「これから、少しづつでも歩こうかしら。」という言葉を聞くことができました。

血糖・血圧測定が終了後、整理体操を行い、ランチタイムとなりました。ランチタイムの際は、おいしいお弁当を食べながら、他の病院の方と情報交換をすることができました。最後に、成績発表があり、ウォークラリーは終了となりました。

ウォークラリーに参加して感じたことですが、普段と違う環境の中で患者さんとコミュニケーションなどを図ることで、診療の場で見ることができない患者さんの一面を見ることができました。もちろん、それは患者さんにも言えることではないでしょうか。このような行事を通じて患者、医療者双方の新たな一面を発見し、そして、その積み重ねの中で信頼関係を構築していくのではないかと思いました。また、今回、血糖や血圧測定を行いながら、短い時間ではありましたが、運動の効果や低血糖など運動時の注意点について説明しているスタッフもいました。体験を通してのアドバイスということもあり、教育的に関わるにはよい機会になると思いました。

今後も、このような行事を通じて患者さんとコミニュケーションを図りながら、LCDEの役割を果たしていきたいと思いました。